ホリスティックビューティ ブランド物語 Vo.2 nifu/奈良

大地の匂いや風の音、植物たちが囁きあう

それぞれのブランドが誕生したテロワール(土地や自然環境)を辿って。

  

美容ジャーナリスト 安倍佐和子

 

 

nifuのブランドフィロソフィに触れるたび、

思い浮かぶのが「静謐」という言葉。

緑の濃淡で縁取られた山々、陽光が煌めく豊かな森は、

どこまでもどこまでも穏やかで静寂、そんな原風景を思い起こさせる。

それはきっと、nifuの生まれた里が、奈良県吉野の深い森の中だからだろう。

 

 

nifuが着目したのは、世界最古の木造建築にも使われた吉野の檜。

日本書紀にも記述が残されている。

檜はご存知のとおり、フィトンチッドの高い樹木。

「静謐」でととのうような香りにもファンが多く、

心身のリラクゼーションを促すことも広く知られている。

 

 

100年を超える巨木も珍しくない檜の一大産地、吉野の檜(挽き粉)は、

高い香りと豊富な精油成分で、美容と健康の分野でもおおいに期待されており、

この吉野の檜から製材時に輩出される「おが屑」(挽き粉)を回収、加工し、

再利用するという循環型を実践するのがnifuだ。

このサイクルの実現には想像を絶するような努力があったに違いない。

なぜなら、林業や製材業の分野は、衰退の一途にあるからだ。

 

 

実際にnifuは安心安全かつ高品質な素材としての「おが屑」(挽き粉)の

安定供給はいつまでも続かないと判断し、2022年に自社製材所を開設。

自らの足で山に入り、生産から品質管理、流通までを管理。

檜が持つ心身のリラックス機能やストレスリリースを促す働きを、

「発酵温浴」や製品ひとつひとつに閉じ込め、

日常に寄り添う形で提案してくれているのだ。

 

 

nifuの代名詞とも言える発酵温浴は、

電気やガスを使わずに独自の発酵技術でエネルギーを生成する、

ユニークな温浴施設。

使用後の「おが屑」等は、コンポストに。

売上の一部を吉野の森林活動や製造に還元されるという、

まさに理想の循環型を実現。

そのこだわり、フィロソフィーに、強く心打たれる人も多いだろう。

 

 

発酵温浴で芯からリラックスするとき、nifuの製品を手にするとき。

肌で感じるのは、吉野の深い森で大切に育まれた大自然の恩恵と、

どこまでも真摯なホリスティックビューティの姿。

この先もずっと未来へと繋いでいきたい、

そんな思いがふつふつと湧き上がってくるのだ。

 

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