ホリスティックビューティ ブランド物語 VO.4 SILK by ADAN/奄美大島
大地の匂いや風の音、植物たちが囁きあう
それぞれのブランドが誕生したテロワール(土地や自然環境)を辿って。
美容ジャーナリスト 安倍佐和子
「雲霧林」と言われる鬱蒼とした深い森に、
奄美ブルーと讃えられ、どこまでもどこまでも続く、透き通った海。
琉球と薩摩、中国の大陸文化を受け継ぎながら、いずれとも異なる島は、
国土のわずか0.2%ほどのエリアに、日本の固有生物のなんと13%が生息。
そうなのだ、奄美大島は、他に類をみない生物多様性の島。
“たとえ人の手が加わったとしても、
この島の特異な環境は未来永劫、変わることがないのでは?“
そう思わせるほど、強烈な個性を放っている。
背景にあるのは、一雨ごとに清められ、なにごともなかったかのように
リバースされる大自然のエネルギー。それは、抗いようがないほど
パワフルで、不変のビートをトクトクと刻んでいるようだ。
奄美大島。この島が世界に誇る美しき伝統工芸、それが大島紬だ。
1300年もの歴史を誇り、ペルシャ絨毯やゴブラン織りと並ぶ世界3大織物のひとつで、
この地で育まれたシルクをシャリンバイと泥で染め上げ、気が遠くなるほどの
複雑な工程を経て完成する、島のメティアダール(芸術的な手仕事)。
この貴重な大島紬になくてはならない、奄美産シルクの力を余すことなく
注いだスキンケアブランド、それが「SILK by ADAN」だ。
ブランドのフィロソフィーとして大切にしているのが、
マユ アラウィバ ティガ キョラサヤァ(繭を洗うと手がきれいだね)という島言葉。
奄美大島という個性豊かな自然環境で育まれたシルクは、
肌への効果もまた唯一無二、格別なのだと思わせてくれる。
大島紬の独特の風合いを思い浮かべて欲しい。
けっして華美ではないのに、どこまでも繊細で上質な艶をたたえ、
軽くてしなやか、着ると温かく高密度な肌触りを。
「SILK by ADAN」から伝わってくるのは、
奄美大島のダイナミックな自然のエネルギーと、ホリスティックビューティの本質だ。
世界自然遺産の島の自然を護り、メティエダールを継承させたい、
そんな思いで製品と触れ合うのもいいだろう。
そして、感性を研ぎ澄ませて聴いて欲しい、
私たちの中で、パワフルな不変のビートがトクトクと高鳴りはじめる瞬間を。